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第17話 新しい家族

作者: G3M
last update 最終更新日: 2025-11-24 05:25:01

 父の幸一の新居に着いたのは夜中だった。幸一はガレージに車を止め、幸一と範経は車を降りた。

 幸一は新しく家族になる内縁の妻と彼女の連れ子に範経を紹介した。

「こいつが息子の範経だ。よろしく頼む。こちらが内縁の妻の恵子と娘の麗華ちゃんだ。」

「よろしくお願いします」と範経が頭を下げた。

「結局、盗撮犯じゃなかったのね。心配して損しちゃった。いじめて追い出すつもりだったのよ。あなたの部屋は玄関横のクローゼット。荷物を適当に入れておいたわ」と恵子。

「やっぱりそういう扱いなんですね」と範経。

「仕方ないだろ。家出して逃げた時点でお前の負けだ。反省しろ」と幸一。

「そんな不条理な」と範経。

「腰抜けには当然の扱いだ。屋根があるだけありがたいと思え」と幸一。

「引き出しのコレクションを見せてもらったわ。あなたシスコンなのね。ぎりぎり合格よ。麗華がいるから、ロリコンなら出て行ってもらうつもりだったけど」と恵子。

「喜んでいいのかな……」と範経。

「麗華、範経兄さんに挨拶しなさい」と恵子。

「はじめまして、麗華です」と麗華。

「ところで、範経。転入届を出しておいたから明日から高校へ行け。ここから歩いて通学できる場所にある。制服も用意しておいた。明日だけは車で送ってやる」と幸一。

「え、転校するの?」と範経。

「当然だろ。二百キロも離れた高校にどうやって通うんだ。お前の学力ならどこの高校でも問題ないだろ」と幸一。

「そういう問題じゃなくて、挨拶とか色々……」と範経。

「前の学校の先生方は厄介払いができてうれしそうだったぞ。ろくに友達もいなかったそうじゃないか」と幸一。

「いや、それは盗撮の嫌疑をかけられていたからで……」と範経。

「負け犬に弁解の余地はない」と幸一。

 範経はため息をついた。

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